『一日おもしろ学校ごっこ』のあんない

 2012年12月に、おもしろ学校職員室のメンバーは ゆいぽおとから本をだしました。

出版社のページ


一日おもしろ学校ごっこ

ゆいぽおと、2012年     

帯より、「小学生のときに、こんな授業を受けたかった!」

【おもしろ学校職員】
一日おもしろ学校ごっこ表紙
100歩先ゆく生徒指導係
太田まじん

歌って踊る室長
伊藤育雄

手術もできる校長
松尾かずな

夢みる落とし物係
三輪義信

ファンキーな体育器具庫係
岡崎勝


 
も  く  じ
 題名をクリックすると作者が本に書いたエッセイやメッセージが読めます。
 最初の部分も楽しめます。

太田まじんの授業

伊藤育雄の授業

  • イスラムってなんだ?【社会 4年生から】
  • どこまでが日本?【社会 4年生から】
  • 古墳って何だ?【社会 4年生から】
  • 人口からみえてくるもの【社会 4年生から】
  • 日本の米【社会 4年生から】
  • 歴史の法則発見
    できごとの名前だけで結果がわかる!【社会 4年生から】

松尾かずなの授業

  • おねしょのはなし【医学 1年生から】
  • からだを知ろう【医学 1年生から】
  • けがのはなし【医学 1年生から】
  • かぜのはなし【医学 4年生から】
  • おなかのはなし【医学 4年生から】
  • エイズのはなし【医学 4年生から】
  • インフルエンザとブタ(新型)インフルエンザ【医学 4年生から】
  • 聴診器をつくろう【医学 4年生から】

三輪義信の授業

  • 簡単織り機でコースターづくり【ものづくり 3年生から】
  • キューブパズルをつくろう【ものづくり 4年生から】
  • ミニハウスをつくろう【ものづくり 5年生から】
  • からくり恐竜〈ティラノくん〉に挑戦しよう【ものづくり 5年生から】
    作品一覧

岡崎勝の授業

学校と家庭、教員と親をつなぐ教育困談会

  1. なかなか勉強しない…
  2. 担任の教師への不信が…
  3. 中学生になって携帯電話を…
  4. 小学校の先生なのですが、新任で学級崩壊…
  5. 中学生ですが、「性」について…
  6. 発達障害だと診断されて…
  7. お小遣いはどんなふうに渡したら…
  8. 教科書の中身がたくさんあって、とてもついていけない…
  9. 学校のことをあまり話してくれません…
  10. 学校に新任教員が何人も入ってきました…


  • この本を手にとってくださったみなさんへ
  •  「授業」はだれにとってもおもしろくなければならない

     どんな時代にも子どもたちは「希望」です。子どもが元気に遊び回っていれば、その世界は希望を失うことは ありません。たとえ成績が悪くても、運動が得意でなくても、上手にお話ができなくても、給食が早く食べられ なくても、子どもが笑顔を見せてくれていれば、誰も絶望する必要はありません。
     本書に収められているのは、私たち「おもしろ学校職員室」のメンバーが工夫を凝らして作り上げた授業です。 それらは、どんな子どもたちも笑顔になり、満足感が味わえるようにと、強く願って創造した授業です。「授業 はおもしろくなければ値打ちがない」とさえ思っています。
     ここにあるのは、実際の学校でも展開できる内容です。さらに、学童保育除、家庭など「子どもの集まる場所」 ならどこでもチャレンジできます。また、読み物としても、十分におもしろい内容に仕上がりました。

     伊藤は「今、ここで問うべき生きている社会」そのものを授業として展開し、「音楽は音を楽しむことなのだ」 とギターを鳴らします。三輪は、木や紙という素朴な材料を使って、「ものづくり」のなかで、人のぬくもりと やさしさを思い出させてくれます。太田は、ありきたりの教科学習にとらわれず、知的好奇心をかき立てる内容 を作り上げていきます。松尾は、教育研究者でもあり、かつ医師でもあり、身体の不可解さや不思議さを、優し く解き明かしています。岡崎は、自分自身の好奇心と知的欲求を授業に具体化して、「どうだい、おもしろいだ ろう?」と子どもに謙虚に提案しています。

     私たちは一年に二度、子どもと親に「一日おもしろ学校ごっこ」という公開授業をしています。「学校」にこ だわりつつも、「学校」は絶対的な制度とは考えていません。そして、「学校」という硬直した枠をもはみ出す 可能性を込めて「ごっこ」なのです。さらに、どんな子どもでも「学ぶことを楽しむ権利」があると考えていま す。授業を提供するものとして、たった「一日」でも手を抜くのはあり得ないと考えて授業を公開してきました。

     1993年に第一回を開催し、20年になろうとしているこの公開授業には多くの子どもたちと親が参加してくれま した。ここに参加した子どもたちのなかには、大きくなって時々お手伝いに来てくれる「卒業生」、現役の教員 になった「卒業生」もいます。
     そして子どもたちが、この「一日おもしろ学校ごっこ」に「また来てみたいなあ」と言ってくれることが、私 たちへの「期待」であり、「エール」であり、「喜び」なのです。そんな「おもしろい授業」を本書にいっぱい 詰め込んでみました。
     また、巻末には、最近、親たちに評判の高い「教育困談会」を一部ですが掲載しました。親と教員は対立では なく協働するべきだという願いを読み取っていただければ良いなと思います。

     どんな困難な時代にも、子どもは笑い、かしこくなる「権利」があるのです。その実現のためにこの「一日お もしろ学校ごっこ」は編まれました。どうか、かしこくなる「おもしろさ」を味わってください。  

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  • わたしが「おもしろ学校」にひかれるわけ

    梶川 悠     
  •  子どものころ、太田先生大好き!な母が申し込みをして、家族で来た「一日おもしろ学校ごっこ」。転校先で 男に間違われる名前を、三輪先生が「いい名前だねぇ」と目を見て言ってくれて嬉しかった。すでに高学年だっ たわたしは、帰りの車の中で、妹が受けている低学年の授業が気になって「何やったの?」ときいていた。妹は 妖怪の話を聞いたり、うどん作りをしたりしていた。
     それから10年後、地元でスクールサポーターをしていて、ふと気になって「おもしろ学校」を検索してみると、 信じられないことに「サポーター募集」と書いてあった。そのときは先生方がすごい方々ばかりということも忘 れ、すぐにメールをしてしまったが、いざミーティングに行くとなるとものすごく緊張した。そして、緊張する のは今でも変わらない。
     「おもしろ学校」の授業がおもしろいのは、ふだん学校ではできないことができるとか、奇抜なアイデアだか らとか、子どものころは何となくそう思っていたけれど、自分自身が教員になってからここに戻ってきて、そう じゃないと感じるようになった。ここの先生方は、考えるおもしろさを教えてくれる。それは、教員としてすご くすごく勉強になる。だけど、方法論的なことではないので、簡単にまねができて上手くいくわけではないよう に思う。意識されているのかそうでないのかはわからないが、授業中発せられる言葉には、それぞれの先生の人 柄や考え方や知識がたくさん詰まっていて、その先生ならではの授業になっている。それがわたしにとって、 「おもしろ学校」の魅力だと思う。

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