この本のおもしろ授業を、実際に子ども会や学童保育などでしようとした場合に参考となることをいくつか述べます。これらの子どもたちの集団は、学校と違い、指導する大人も、教師のようになれていないことから、子どもとのやりとりに、ずいぶんエネルギーがいります。しかし、この新鮮さや素朴さが、子どもにとってはとてもいいのです。つまり、学校では先生たちに「やんちゃな子」としてレッテルを貼られている子も、このおもしろ学校ではそうした「経歴?」にとらわれずに大人も接してくれるでしょうから、「頑張ってみようかなあ」という気持ちになれるのです。そんな、気持ちを大切にしていくことが、子どもたちにとって、この上ない喜びになるはずです。
[1] 場所をえらぶ=どこでやるのか? にこだわらない。
子どもたちは、教室のような場所には慣れています。しかし、机やいすに拒否反応をしめす子もいるかもしれません。ですから、あまり、机やいすにこだわらずに、広い空間があればいいと思います。また、途中で、嫌になったら、スーッとどこかへ行けるような場所がいいですね。
[2] グループをつくってもらおう。
プリントの授業でも、ものづくりの授業でも、必ずグループをつくります。もちろん、自由につくらせたり、リーダーに決めてもらったりと、方法はいろいろあります。親がいれば「親子」でもいいでしょう。でも、せっかくですから「くじ引き」などで、新しい関係をつくることもいいのではないでしょうか。そして、グループができたら、それぞれのグループで、メンバーに番号をつけましょう。あとで、「各グループの1番さん、プリントをとりにきてください」というような、お手伝いをしてもらえます。
メンバーは、できるだけいろいろな人が、ごちゃまぜの方がおもしろいです。大人も、てきとうに入るのがいいでしょう。
[3] 材料は自分たちでそろえてもらおう。
ものづくり授業などの材料は、指導者の大人がそろえなくてはならないものもあるかもしれません。しかし、自分たちで買い物にいったり、近所の人に聞いて、その材料のあるところを探すのも、おもしろ学校の学習です。いつも準備されたところから始まるのでなく、自分たちがしっかり探すという作業も大切です。
[4] 友だちを大切にすることを具体的にしてもらおう。
ことばで「友だちを大切に」といっても、子どもたちは実際にどうしたらよいかわかりません。そのために、指導者は具体的に、子どもたちにそのことを分かってもらう必要があります。それを例として、ここにあげてみます。自分の向かっている相手によって多少言い方が変わりますが、参考にしてください。
[5] 完全主義をやめよう。
善意やボランティア精神の強い指導者やリーダーほど、子どもたちには「抑圧」的な場合があります。それは、自分の「善さ」を疑わないからです。もちろん、子どもへの愛や思いやりはとても大切です。しかし、それは、同時に子どもたちにサービス過剰の弊害をもたらします。つまり、誰かに頼ることが当り前になることです。そして、「こんなに自分が一生懸命やっているのに、どうして子どもはわかってくれないのだ」という思いを持つようになるのです。これは、子どもたちへの愛の裏返しとしての恨みにすらなるのです。
こうした不幸な事態を避けるためには、私たちは80%主義をすすめます。このおもしろ授業を「つまらない」という子どもがいたりしても、それは良しとします。もし90%が「おもしろい」と言ってくれたら、できすぎだと考えてください。
こうした考え方をするのは、実は、このおもしろ授業を根気よく続けるためと、指導者自身が、落ち込まないためです。そして、完全主義による、子どもへの「善意の抑圧」を避けるためです。
[6] マニュアルはあくまでマニュアルでしかない。
私たちは自信をもってこの授業をみなさんに提案していますが、しょせんはマニュアルでしかありません。つまり、みなさんが相手にしている子どもや、住んでいる地域などの違いには、十分に対応できないこともあるでしょう。この本からかなり水準の高い楽しさを引き出すことが、できると思います。そして、できるだけ「普遍的な内容」にしようと創りました。しかし、だからこそ、一人ひとりの子どもや指導者のみなさんに、個別対応が十分にできるとは言えないのです。
みなさんや子どもたちが、この授業を「狭く固く」捉えないで、自分たち流のアレンジを考えてほしいと願っています。それこそが、この本を創った私たちの願いなのです。ぜひ、みなさん自身でアレンジしながら、授業の内容や楽しさの質を高めてください。
みなさんの豊かな発想を生かした授業創りを期待します。
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